東京生まれ。3才の頃から母の手ほどきにより箏を習いはじめ、16才で師範免許を取得。
「邦楽演奏新人コンクール」奨励賞受賞。
1979年パンムジーク・フェスティヴァル主催現代邦楽コンクール1位、 同年の第1回吉村 七重二十絃箏リサイタル以来東京では、1年半に一回リサイタルを開く。
従来の古典箏曲十三絃箏と共に二十絃箏を手掛けこの新楽器の第一人者として活躍、日本を代表する二十絃箏演奏家として毎年海外演奏旅行を持っている。
1988年からは同世代の作曲家、西村朗、吉松隆、新実徳英、佐藤聡明、池辺晋一郎らを中心に、湯浅譲二、柴田南雄、石井真木、や南 聡、猿谷紀郎、古川聖にいたる幅広い世代の作曲家との共同作業でリサイタルを構成し二十絃箏の新しい地平を切り開いている。
これらの活動に対し、文化庁芸術祭賞(1992)、第三回出光音楽賞(1993)、第一回日本伝統文化振興賞(1994)、中島健蔵音楽賞(1999)等が授与されている。
主な活動歴は、1986年ニュージーランド・ウェリントンでのアジア・パシフィックフェスティヴァルに招待されたのを初めに、「ソロリサイタル」又は「三橋貴風、吉村七重ジョイント・リサイタル」として年数回の海外演奏旅行に出ている。それらの都市はパリ、ウィーン、ロンドン、ローマ、ミラノ、ニューヨークなど世界主要都市始めアジア、アメリカ、中近東、ヨーロッパ各国等。
1989年パキスタン、1994年北欧四カ国、エストニア、ドイツは国際交流基金主催公演。
1986年セントルイス・オペラのワールド・プレミエ「JOULULI」(三木捻作曲)の二十絃箏ソリスト、1991東京都交響楽団のソリストとしてカーネギーホール・アニヴァーサリー100公演、英国JAPAN
FESTIVAL(ロンドンBBCホールほか)、1994年アヴィニヨン・フェスティヴァル能オペラ「SUSANOU」(勅使河原宏演出、石井真木作曲)二十絃箏ソリスト。1995年 「イタリアにおける日本」では、ローマ現代音楽協会などの招聘を受け、イタリア各地でリサイタル。1997年「日中国交回復25周年記念」日中友好合作現代音楽祭In 北京。
2000年 北欧リサイタル・ツァー。
2002年3月外務省派遣クロアチア、スロヴェニア、セルビアリサイタル・ツァー。11月には二十絃箏とオーケストラのための協奏曲「樹海」(西村朗)「夢あわせ夢たがえ」(吉松隆)のドイツ初演とCD録音、ウィーン美術史博物館でのソロリサイタル。
この他、72年から活動を続けている日本音楽集団ではソリストの他に定期演奏会の企画も多く手掛
ける。
後進の育成にも力を入れ1997年から始めた「邦楽展〜Koto Collection Today〜」シリーズでは2、30代の演奏家、作曲家の共同作業もすすめており今年で11回目となる。
2010年には第19回朝日現代音楽賞、平成21年度芸術選奨文部科学大臣賞等を受賞
2012年紫綬褒章を受章
二十絃コンチェルトのレパートリー作品
西村朗:
「炎の幻声」二十絃箏と弦楽合奏のための(1988)初演演奏
二十絃箏とオーケストラのための協奏曲「樹海」(2002)初演演奏
吉松隆:
夢あわせ夢たがえ(ストリングス・ヴァージョン)(1998)初演演奏
Fugaku霊峰富士によせる7つの響景(2002)初演演奏
尺八と二十絃箏とオーケストラのために
三木稔:
「破の曲」「二十絃コンチェルトII番」
新実徳英:
「宇宙樹」
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CDアルバム
(Camerata Tokyo(JAPAN)からCD五枚がリリース)
「NANAE」(32CM-189)(レコード芸術特選) 1991
「タクシーム」 (32CM-208) (1986のLPより再版)1992
「炎の幻声」 (32CM-311) (レコード芸術特選) 1993
「梢にて」 (30CM-426) (レコード芸術推薦)1996
「すばる/吉村七重プレイズ吉松隆」 (28CM?578) 1999
「邦楽演奏家ベストテイク/吉村七重」(ビクター) 1997
*海外ではアメリカCelestial Harmonies<Nanae Yoshimura, The Art of Koto>シリーズが2000年からはじまり、現在Volume.4まで計画されている。
2000年9月 Volum.1 (古典)
2001年8月 Volum.2 Yatsuhashi to Miyagi
2003年1月 Volum.3 二十絃箏・現代
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