古典箏曲の魅力と新しい可能性を秘めた二十絃箏の音楽を国内外に発信続ける現代日本を代表する演奏家。平成24年春・紫綬褒章
二十絃箏に関しては、この新開発楽器のスペシャリストとして、独奏曲・大小のアンサンブル曲からオーケストラとの協奏曲まで多くの作曲家との共同作業を展開し、すでに100曲を超える作品の初演を行った。
なかでも、1988年からはじめた委嘱作品によるリサイタル・シリーズは、西村朗、吉松隆、佐藤聰明、湯浅譲二、などをはじめとする幅広い世代の国際的作曲家たちの協力を得て、この楽器の表現領域を大きく広げた。その成果は、文化庁芸術祭賞(1992)、第三回出光音楽賞(1993)、第一回日本伝統文化振興賞(1994)、中島健蔵音楽賞(1999)
2010年・芸術選奨文部科学大臣賞、朝日現代音楽賞、等で顕彰されている。
国際交流基金主催公演を含む海外での演奏活動は、80年代後半から継続しており、日本文化の紹介、国際交流に大きな貢献を果たしてきた。すでに、ヨーロッパ諸国、中東諸国、アジア諸国、北・中・南米諸国の主要都市でコンサートを開いている。その間、「プラハの春」、「ISCM世界音楽の日々」、「N.Yカーネギー・ホール100周年記念演奏会」、「ゲヴァントハウス管200年祭」などにソリストとして出演した。
後進の指導も意欲的で、吉村七重箏研究所を主宰して「邦楽展・Koto Collection Today」を設け若手演奏家の育成と新作の開発に努め、成果をあげている。
録音は古典曲から現代曲まで多くのCDが、国内では「カメラータ・トウキョウ」他からリリースされている。海外レーベルではcelestial harmonies杜(U.S.)が< The Art of KOTO Nanae Yoshimura >をシリーズ化している。
吉村七重インタビュー記事(国立劇場6月邦楽公演「現代邦楽名曲選」特別インタビュー 2023年5月)
二十絃コンチェルトのレパートリー作品
西村朗:
「炎の幻声」二十絃箏と弦楽合奏のための(1988)初演演奏
二十絃箏とオーケストラのための協奏曲「樹海」(2002)初演演奏
吉松隆:
夢あわせ夢たがえ(ストリングス・ヴァージョン)(1998)初演演奏
Fugaku霊峰富士によせる7つの響景(2002)初演演奏
尺八と二十絃箏とオーケストラのために
三木稔:
「破の曲」「二十絃コンチェルトII番」
新実徳英:
「宇宙樹」
(Camerata Tokyo(JAPAN)からCD五枚がリリース)
「NANAE」(32CM-189)(レコード芸術特選) 1991
「タクシーム」 (32CM-208) (1986のLPより再版)1992
「炎の幻声」 (32CM-311) (レコード芸術特選) 1993
「梢にて」 (30CM-426) (レコード芸術推薦)1996
「すばる/吉村七重プレイズ吉松隆」 (28CM?578) 1999
「邦楽演奏家ベストテイク/吉村七重」(ビクター) 1997
*海外ではアメリカCelestial Harmonies<Nanae Yoshimura, The Art of Koto>シリーズが2000年からはじまり、現在Volume.4まで計画されている。
2000年9月 Volum.1 (古典)
2001年8月 Volum.2 Yatsuhashi to Miyagi
2003年1月 Volum.3 二十絃箏・現代