そらのおと うみのいろ
~作曲家 平野一郎の世界 2023~ 

2023年8月12日(土)
開演 14:00 (開場 13:30)

■プログラム

平野一郎作曲

・空野 (2001) [無伴奏ヴァイオリン]

・二つの海景 (2004/2007-2011)  [ピアノ独奏]

・ウラノマレビト (2003)  [弦楽四重奏]

・双子の鳥 (2022) [ヴァイオリン二重奏]

・アマビヱ (2020)  [ヴィオラ&ピアノ]

・獏の舟 (2022) [無伴奏チェロ]

・鱗宮 (2006) [ピアノ五重奏]

■出演

ヴァイオリン:成田達輝、ジドレ、對馬佳祐 

ヴィオラ:安達真理 

チェロ:山澤慧 

ピアノ:佐藤卓史

■チケット 2023年4月12日(水)10:00発売

 全指定席 一般4,000円 学生2,000円

◎プレ・イベント『作曲家・平野一郎によるレクチャー&トーク』

 2023年7月26日(水)19:00開演(18:30開場)トーキョーコンサーツ・ラボ 

 ※本公演とのセット券で500円!プレ・イベントのみ1,000円(当日現金精算)

■チケット予約

東京コンサーツ オンラインチケットサービス http://confetti-web.com/TOKYO-CONCERTS

電話予約(カンフェティチケットセンター)0120-240-540 (平日10:00-18:00オペレーター対応)

■お問合わせ 東京コンサーツ03-3200-9755(平日10:00-18:00)

■主催〈Code=“Shanti”〉

■制作協力 東京コンサーツ

■協賛 ワオンレコード

■公演について

作曲家の平野一郎さんは、長年にわたって日本列島各地を巡り歩き、それぞれの土地で経験した祭礼とその音楽や、古くから伝わる神話や伝説の探究をもとに、唯一無二の音楽世界を展開してきました。その創作姿勢は、クレー=ベンヤミンの“歴史の天使”にならい、過去の一切にじっと目を凝らしながら背後に続く未来へと後ずさりする、“うしろむきのアヴァンギャルド”を旗印としています。人間性の解放を軸に進展を遂げた西洋音楽の美質を受け継ぎつつも、私たちの風土に生きた先人たちが自然との交感によって培った伝承世界の精神性を今日的表現に昇華し、音の中に真摯に取り戻そうとする平野作品は、日本人が西洋音楽に携わることの意味をアクチュアルな問題として根源から問い直し、その葛藤の坩堝から新たな地平を拓くものです。平野作品の響きと調べに身を浸し、聴き感じていると、太古から未来にわたる森羅万象が、まるで奇跡を目の当たりにするように皆様の眼前に広がることでしょう。そして、私たちの中に眠っている意識が目覚め、世界の中の日本、万物の中の人間を再発見するような喜びを、無意識のうちに感じとるかもしれません。
驚くべきことに、本公演が平野さんの初の東京個展となります。「空野」op.1 (2001) から最新作に至るまで、創作の原点とも言える弦楽とピアノの作品をお聴きいただきます。一見典型的な西洋楽器と編成から、その奥底に宿る東洋起源の響きを掘り起こす独自の世界観を味わっていただけると思います。平野さんはこれまで京都を拠点に活動されてきましたが、多様性・多面性・多元性に溢れた日本文化の融通無碍でユニークな特質を体現する平野作品は、日本の最先端を担う東京でこそ紹介されるべきであり、これを機にさらに広がりを見せると確信しています。是非お楽しみに足をお運びいただけましたら幸いです。
主催〈Code=”Shanti”〉



平野一郎(作曲家)
丹後國宮津出身。1996年より各地の祭礼と音楽を巡る踏査を始動。97年京都市立芸術大学卒業、99年大学派遣によりブレーメン芸術大学に留学、2000年京都市芸大大学院修了。01年より作曲活動を本格開始、京都を拠点に日本の風土や伝承に根差した創作を展開。響きや調べ、声と言葉の根源をたずね、失われた身体性・全人性を呼び覚ます音楽世界を志す。日本交響楽振興財団作曲賞最上位・日本財団特別奨励賞(2005)青山音楽賞(2007)京都市芸術新人賞(2007)現音富樫賞(2013)藤堂音楽褒賞(2018)京都府文化賞奨励賞(2019)等受賞、ISCM世界音楽の日々2008入選・参加。2011年演奏家・美術家らと協働しモノオペラ「邪宗門」制作・初演。「鱗宮△交響曲」(2010/芦屋交響楽団)「いそぽのふゎぶらす」(2011/ザ・フェニックスホール)「四季の四部作」(2014/吉川真澄)「蜃氣樓●協奏曲」(2014/森本英希)「八幡大縁起」(2016/やわた市民音楽祭)「綺多羅」(2017/大萩康司)「鳥ノ遊ビ」(2017/通崎睦美)「ピアノソナタ〈光人彷徨〉」(2022/イリーナ・メジューエワ)等委嘱作品多数。“舘野泉 左手の文庫”委嘱作品として「精霊の海」(2011)「微笑ノ樹」(2012)「二重協奏曲〈星巡ノ夜〉」(2014)「鬼の生活」(2021)「鬼の学校」(2022)を手掛ける。ほか16年アンサンブル・ノマド定期#56にて女声+電気ギター+サクソフォン+コントラバス+打楽器による「龍を踏む者」(DUOうたほぎ)初演、18年二面の復元正倉院[四/五絃]琵琶+笙竽+打物+8人の群声による「胡絃乱聲」(国立劇場)初演、19年正月NHK-BS8K番組《落慶~奈良・興福寺~》音楽制作、同春42人の邦楽合奏曲「とこよのはる」(森の会)初演、21年打楽器合奏曲「ヤポネシアの森から」(金沢市民芸術村)初演、22年多和田葉子書き下し台本による五幕のオペラ『あの町は今日もお祭り』(くにたち市民芸術小ホール)初演など、次々と新境地を開拓し反響を呼ぶ。17年より出雲芸術アカデミー=コンポーザー・イン・レジデンス拝命、《出雲の春音楽祭》にて“未来の伝統芸術”を謳う「連作交響神樂」(全九部作/管弦楽+声楽)進行中。「平野一郎は現代日本で私が最も高く評価する作曲家のひとり」(ピアニスト/舘野泉)「作曲家の平野一郎さんも物語の旅人である。彼は、物語、伝説、神話そのものから、それを求める旅の情景までを音で紡ぎだす。」(探検家/髙橋大輔)「平野の作品は、現実と幻想、現代と太古を融け合わせ、忘れられた伝説や異界の音風景を今に蘇らせつつ、多彩な音楽世界を拓いている。」(建築家・建築史家/マヌエラ・アントニウ) など様々な方面から注目を集めている。